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「AI搭載」をアピールすると逆効果?米国消費者の60%が"AI訴求"にネガティブだった

消費者の60%がAI訴求にネガティブという調査結果

「最新AI搭載」「生成AIを活用」「AIで自動化」「AIエージェント対応」——最近、あらゆるサービスで「AI」という言葉を見るようになりました。企業側からすれば当然です。AIを導入した、最新技術を使っている、競合より進んでいる。だから「AIを使っています」と伝えたくなる。

しかし2026年、非常に興味深い調査結果が出ています。結論から言うと——消費者は、企業が思っているほど「AI」という言葉を歓迎していない可能性があります。

60%が「AIを前面に出すブランド」にネガティブ

WordPress VIPが発表した「Future of the Web 2026」の調査があります。対象は合計2,000人(企業の意思決定者・CMOが800人、米国の成人消費者が1,200人)。この調査で——

消費者の60%が、ブランドメッセージの中でAIを使うことを「turnoff(興ざめ)」と回答。さらに61%は「AIをうまくメッセージに使っているブランドを一つも挙げられない」、16%は「AIをうまく使っているブランドは存在しない」と答えています。

企業側ではAI導入競争が起きています。しかし消費者側では「AIだから買いたい」という感情が同じ速度では育っていない。ここに大きなギャップがあります。

86%はAIの回答だけでは終わらない

もう一つ重要な数字があります。消費者の86%が、AIによる要約を見たあと、常に、または時々、元の情報源も確認すると回答しています。さらに、AIの回答に明確な出典がない場合、それを最も信頼できないコンテンツだと評価した消費者が42%いました。

つまり——AIは便利。でも、AIだから信じるわけではない。むしろ「その情報はどこから来たの?」を消費者は気にしているのです。企業はAIに評価されることと、人間に信頼されることの両方を考えなければなりません(この構造はGEOの記事で詳しく書きました)。

なぜ「AI搭載」が響かなくなったのか?

理由は単純だと思います。AIが珍しくなくなったからです。

「クラウド対応」という言葉を考えてみてください。10年以上前なら「クラウド型サービス」は大きな売り文句でした。しかし今、「このサービスはクラウドを使っています!」と言われても「だから何が便利なの?」となります。AIも同じ段階に入り始めています。

消費者が欲しいのはAIではありません。欲しいのは、時間が減る・売上が増える・面倒な仕事がなくなる・安くなる・簡単になる・失敗が減る——という結果です。

「AIを売る」のではなく「結果を売る」

例えばCRMサービスを販売するとします。

訴求読み手の反応
悪い例「最新生成AIを搭載した次世代CRM」「だから何?」
良い例「商談履歴をAIが自動整理。営業担当者の入力作業を1日30分削減」価値が分かる。AIは裏側にいるだけ
悪い例「AI搭載議事録ツール」—
良い例「1時間の会議を3分で議事録に」顧客メリットが伝わる
悪い例「AIマーケティングツール」—
良い例「広告データを毎朝自動分析。改善すべき広告を3つ提示」具体的

重要なのは、AI → 機能 ではなく、AI → 成果へ翻訳することです。

AIを隠せという話ではない

ここも重要です。「AIと書くな」という話ではありません。AIそのものが購入理由になる商品もあります(AIエージェント、生成AIプラットフォーム、AI開発ツールなど)。こうした市場では当然AIが重要です。

しかし一般消費者や一般企業向けの商品では、AIは主役ではなく顧客価値を実現するための手段として扱った方が伝わりやすいケースが増えています。「AI搭載の採用管理システム」ではなく「応募者100人の情報を自動整理。面接候補者をすぐ確認できる」と伝え、詳細ページで「この機能にはAIを使用しています」と説明する。順番が重要です。

実例:うちも「AI搭載CRM」と言うのをやめました

Praxenは案件管理システム「FORTE」を販売していますが、実はAIの会社なのに、広告や記事の一行目に「AI搭載」とは書いていません。使っている訴求はこうです。

AIアシスタントやAIカスタマイズは強力な機能ですが、それは機能ガイドの中で「何ができて、何時間戻ってくるか」とセットで説明しています。反応データを見ても、「AI」を打ち出した投稿より、「87時間」という結果の数字を打ち出した投稿の方が明確に反応が良い——この記事の調査結果を、小さい規模ながら自社でも追認しています。

AI時代だからこそ「一次情報」と「人間」が強くなる

WordPress VIPの調査では、回答者の約4分の3が「インターネットは10年前より人間味がなくなった」と感じています。AIが普及すると、文章・画像・メール・広告・SNS投稿が大量に自動生成され、「整っているけれど、どこか同じ」コンテンツが増えていきます。

だから逆に、実際の顧客・社員・創業者・失敗談・導入事例・現場の写真・具体的な数字・独自調査——その企業にしか出せない情報の価値が上がります。誰でもAIで「CRMとは?」という記事を作れる時代に、「実際に導入して分かった失敗」はその会社にしか書けないからです。

少し逆説的ですが、AIを使えば使うほど、企業は人間らしさを出した方がいい。うちが業務のほぼ全部をAIで回しながら、noteでは代表の失敗談や試行錯誤を実名で公開しているのは、この考えからです。裏側はAI、表側は人間。これが一つの強いマーケティング戦略になると考えています。

広告を作る前の、ひとつの質問

日本でも今後「AI搭載」「生成AI対応」という広告はさらに増えるでしょう。しかし広告を作る前に、一つ質問した方がいい。

「AI」という文字を消しても、この商品の価値は伝わるだろうか?

もし伝わらないなら、顧客価値の説明が弱い可能性があります。「AIだからすごい」ではなく——何時間削減できるのか。いくら削減できるのか。何件増えるのか。何をしなくてよくなるのか。そこまで翻訳する。

AIを使っている企業が勝つのではありません。AIは急速に当たり前になり、当たり前になった技術はそれだけでは差別化になりません。最終的に重要なのは、AIを使って顧客にどんな価値を提供できるか。そしてその価値を人間に伝わる言葉で説明できるかです。

AIを売るな。AIによって生まれる「結果」を売る。これからAIサービスを販売する企業にとって、かなり重要な考え方になるでしょう。

自社の訴求、「AI」を消しても伝わりますか?

Praxenは自社プロダクトの訴求で「AIを売らずに結果を売る」を実践しています。
広告・LP・営業資料の「翻訳」のご相談、お気軽にどうぞ。

無料で相談する(メール) 関連記事:SEOの次に来る「GEO」の正体 →
【参考情報】
・WordPress VIP「Future of the Web 2026」
・WordPress VIP「How AI Is Changing SEO and Brand Discovery」
・TechCrunch「Sixty percent of US consumers say 'AI' in brand messaging is a turnoff, survey finds」(2026年6月16日)

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